my ex『with bedhead』レコーディング日記
my exというバンドをやっていて、2018年10月に4曲入りの10インチレコード『with bedhead』を発売した。
今回の記事は、my exのブログで以前掲載していた日記の中で、レコーディングに関係する箇所を抜き出して加筆修正したもの。
『with bedhead』は、大阪にあるLMスタジオでエンジニアの須田一平さんに録音・ミックス・マスタリングをしてもらい制作した。
自分のことは、自分自身が記録として書いておかないと残らない。だから、なるべく書いておこうと思う。
2018/3/4 レコーディング1日目
5時半に起きて、ギターを重ねる箇所のフレーズを確認するためにリズム隊だけで録音した曲のオケに合わせてギターを弾いて、繰り返し練習した。
朝食を食べて準備をして、9時半に家をでた。地下鉄四ツ橋駅3番出口徒歩1分にあるLMスタジオに10時45分到着。須田さんに挨拶をして、機材のセッティングを進める。レコーディングスタジオは11時から21時までの10時間を事前に予約していて、今日で楽器の録音は全て終えたいと思う。
メインブースでドラムをセッティングして、マイクを立てる。
ベースはライン録音なので、足元のエフェクター類をセッティング。
ギターはメインブースとミックスルームの間にある休憩室兼機材置き場的な場所にアンプを置き、アンプに2本のマイクを立てた。
セッティングを終えて、各楽器のマイクを通して鳴る音をミックスルームで確認。2時間程かかった。
13時からは、ベーシックの録音。メインブースに集まり各自ヘッドフォンをつけて自分の楽器の音と他のメンバーの楽器の音をモニタリングしながら演奏する。録音した順番は、「めまい」「seein'bed」「出発」「ワンスノーモア」。曲が完成した順で録音した。「めまい」「seein'bed」「ワンスノーモア」は2〜3テイク、「出発」は1テイク程演奏した。
録音した演奏からOKテイクを選んで、どうしても気になる箇所をパンチインで演奏し直して修正した。
16時からベースのリアンプ作業。
ラインで録音したベースの音にエフェクターとアンプを通して出力して、その音をマイクで拾う。マイクによって大分音が変わるので色々試した。
17時30分からギターの重ね録りをした。アルペジオがうまく弾けずに何回も取り直した。左右のスピーカーから別々のギターの音が出るように、弾くコードは一緒でも少しセッティングやストロークを変えたりした。ギターを重ねて、歌も歌わなくてはならないのか…先が長すぎて少し憂鬱になる。アコギは時間が足りず録音出来なかった。
20時45分から、今日の録音物を聴けるレベルにバランスを調整してもらい、21時に終了。
近鉄で帰りたくなって、四ツ橋から近鉄難波まで30分くらい歩いた。近鉄に乗り23時15分に帰宅。
2018/3/15
朝はトーストにスライスチーズを2枚搭載した虚構と現実を行き来し続けてしまうほどのカロリーを搭載した質感を全体から放出しているものを食べた。スライスチーズ1枚で充分だなと思った。
昼は、本当にヤバかった…。まずどん兵衛の特盛を食べ、惣菜盛り合わせとおにぎり、唐揚げを食べてクリームが挟まったパンを食べた。狂気の食欲に自分自身が飲み込まれていくのを感じた。
14時過ぎに職場を出て、LMスタジオに向かった。
15時半からレコーディング。今回はアコギと歌の録音。アコギは2曲入れた。「ワンスノーモア」はサビのみ、「出発」は全編に渡ってアコギを重ねた。エレキギターと違ってアタック感が強くでるため下手さが際立つ。何回もやり直した。アコギの録音は1時間程で終了。
17時からボーカルの録音。かなり難航した。「seein'bed」以外は録音完了。「seein'bed」は音域が狭すぎて作ってきたメロディーが綺麗に歌えず、メロディーを変えて後日録り直すことになってしまった。須田さんから自分の声の美味しい部分が出るキーだけで作曲したほうがよいとアドバイスを受ける。前回の録音の時も同じことを言われたのに、全然進歩していなかった。
ラフミックスを作ってもらい、21時半に終了。
四ツ橋から地下鉄で難波に行き、近鉄で最寄駅まで帰る途中、桃山御陵前の大中に寄ってラーメンを食べた。
昼から何も食べてなかったので、ラーメン大盛肉増しを食べた。吐きそうになった。
帰宅してから須田さんから貰ったラフミックスを聴いた。歌は悔しい部分もあるけど、全体的な仕上がりとしては良い方向に向かっていると思う。ミックス作業が楽しみだけど、その前に「seein'bed」の歌詞を変えてメロディーを変えて、更に歌い直さなければいけない。辛すぎる。
2018/3/26
朝はレトルトカレーを食べた。
通勤中に「seein'bed」をひたすら聴いた。緊張で落ち着かない。
昼はいなばのタイカレー缶をご飯にかけて食べた。いなばのタイカレー缶はどん兵衛、おにぎり丸と並ぶ「食のD.C.三羽烏」が存在するなら確実にshudder to thinkに例えられると深く考えずに適当に思っているくらい、自分にとって大きな存在だ。
15時に職場を出て、LMスタジオへ向かう。
16時半からボーカルの録音。残っていた「seein'bed」を1時間弱で歌い終えて、30分かけて修正作業をした。辛い気持ちになりながらメロディー変えたり練習をした甲斐があって、かなり良くなった。これでダメだったらどうしよう…とナーバスになっていたので、無事に録音を終えることが出来て、少しだけ気が楽になった。
18時から録音した曲を改めて聴き、歌い直しが必要な箇所を探した。「めまい」の後半部分を歌い直した。前のバージョンよりエモーティブな感じになった。
19時からミックス作業。須田さんに音源のイメージを伝える。
録音したボーカルをスピーカーから鳴らし、その音をマイクで拾い部屋鳴り感を増幅させる作業を試みた。部屋鳴り感が加味されたことで、楽器と歌が上手く馴染むようになった。
ミックス作業は4曲中、2曲を80%くらいのとこまで作業して、残り2曲は50%くらいまでやった。
ボーカル録りの苦労が報われるくらい、ミックス作業が楽しかった。22時半に終了。
あと1回のスタジオでミックスを終えてマスタリングをして、完成するはず。
24時過ぎに帰宅。須田さんが送ってくたラフミックス音源をダウンロードして、データをiPhoneに入れて、メンバーにダウンロードのURL送って、25時半頃に寝た。
2018/4/14
朝9時過ぎに家を出て、歩いて京阪藤森駅近くのeightでお昼用のパンを買い込む。eightのパンは美味しすぎて啓示を超え、黙示録そのものでしかない。
9時半頃に藤森駅から淀屋橋駅へ。御堂筋線に乗り換えて心斎橋駅で降りる。心斎橋駅から徒歩7分程のLMスタジオへ。
レコーディング最終日。
11時から作業開始。前回は「めまい」を完成に近い所まで持っていって、他の曲はその方向性でミックスした。完成に近い「めまい」の方向性は問題ないけど、他の曲にそれを落とし込んでも上手くハマらなかったので、別の形を見つけていく作業をした。
事前にメンバーと音の方向性を話し合っていたので、衝突することなく進んだ。
15時半からマスタリング。コンプかけて音を潰して音量を稼ぐのはCDには適している面もあるけど、レコードには向かないと教えてもらう。そういった面を踏まえて作業してもらった。
17時前にマスタリングを終えて、無事に完成した。前の音源よりもマスタリングで印象が変わった気がした。
音源の完成を記念して、メンバーと須田さんで写真を撮った。
難波のかどやでメンバーと打ち上げ。
21時に帰宅。
こうして録音された音源はドイツのhandlewithcareでレコードがプレスされて、blackholeからリリースしてもらった。本当に最高。
また曲を作って、録音がしたい。